「温故知新(おんこちしん)」という四字熟語を、テストや国語の教科書で見たことはありますか?むずかしそうだけど、じつはとってもシンプルな意味の言葉です。この記事では、温故知新の意味・由来・使い方を、小学生にもわかるように、かんたんな例文をたくさん使って解説していきます。

温故知新(おんこちしん)の意味をわかりやすく解説!

「温故知新」は、ひとことで言うと「むかしのことをしっかり学んで、そこから新しい発見をすること」という意味の四字熟語です。読み方は「おんこちしん」です。

漢字を一つずつ見ていくと、もっとよくわかります。

漢字意味
温(おん/たずねる)あたためる、よく調べる
故(こ)むかしのこと、昔から伝わってきたもの
知(ち)知る、わかる
新(しん)新しいこと、新しい考え

つなげると「昔のことをよく調べて、そこから新しいことを知る」という意味になります。

ここで大事なポイントは、「ただむかしのことをマネする」のではなくて、「むかしのことをきっかけに、自分で考えて新しい知えやアイデアを生み出す」という所です。むかしの本を読むことも、おじいちゃんのお話を聞くことも、温故知新につながります。

温故知新の由来は?孔子(こうし)と『論語(ろんご)』のお話

「温故知新」のもとになっているのは、今から約2500年前の中国の思想家・孔子(こうし)が言った言葉です。出典は、孔子と弟子たちの会話をまとめた『論語(ろんご)』の「為政(いせい)第二」という章にあります。

原文はこうです。

子曰、温故而知新、可以為師矣。

むずかしそうですが、日本語の書き下し文にすると、こうなります。

子(し)曰(いわ)く、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れば、以(もっ)て師(し)為(た)るべし。

意味は、「むかしのことをよく学んで、そこから新しいことを見つけられる人は、人に教える先生になれるよ」ということです。

つまり孔子は、「先生」になるには むかしのちえをきちんと学んで、それを今に活かす力 が大事だよ、と弟子たちに教えたんですね。

※「温」は「あたためる」とも「たずねる」とも読みます。どちらも意味は「よく調べる・くりかえし学ぶ」というニュアンスで、昔から両方の読み方が使われてきました。

「故」と「古」のちがいに注意!書きまちがえやすい温故知新

温故知新は 書きまちがえる人がとても多い四字熟語です。とくに多いのが、「故」を「」と書いてしまうまちがいです。

正しいまちがい
知新知新(×)

両方とも「ふるい」という意味があるので、こんがらがりやすいのです。でも、出典の『論語』では「」が使われているので、正しい字は「」です。

「故」には「むかしのこと」というだけではなく、「今もまだ生きているむかし」のようなニュアンスがあります。「故郷(こきょう)」「故事(こじ)」なども、ぜんぶ同じ「故」が使われていますね。

温故知新の使い方:たくさんの例文でおぼえよう

実さいにどう使うのか、身近な例文を見てみましょう。

小学生にもわかる例文

  • おじいちゃんが子どものころに作った紙ひこうきのおり方をマネして、もっと長くとぶように工ふうしてみた。これも温故知新だ
  • 1年前の学習ノートを見直したら、苦手だった算数のヒントが見つかった。まさに温故知新
  • 100年前の絵本を図書館で読んだら、今のアニメに似ているおもしろい場面があった。温故知新だね

おとながよく使う例文

  • 老舗(しにせ)の和菓子屋さんが、伝統のレシピを活かして新商品を発売した。温故知新の精神だ。
  • うちの会社は「温故知新」を社訓(しゃくん)にしていて、創業時の理念を大切にしながら新しい技術を取り入れている。
  • 古い映画を見直すと、今の作品に通じる発見がある。これも温故知新の楽しみ方だ。

使い方のポイント

温故知新は、ほとんどの場合 ほめ言葉として使います。「むかしのことを大切にして、それをいいアイデアにつなげている」というよい意味があるからです。作文や日記で「だれかをほめたいとき」「自分のがんばりを表現したいとき」に使うとピッタリです。

温故知新と似た意味の四字熟語(言いかえ)

温故知新と意味がにている四字熟語をいくつかしょうかいします。どれも、ちゃんとした四字熟語の辞典にのっている本物です。

四字熟語読み方意味
覧古考新らんここうしん古いことをふり返ってから、新しいことを考えること
引古証今いんこしょうこん昔のできごとを使って、今のことを説明すること
因往推来いんおうすいらい過去のことから、これから先のことを予そうすること
承前啓後しょうぜんけいごむかしから受けついで、未来へ切りひらいていくこと
革故鼎新かくこていしん古いものを改めて、新しくすること

ぜんぶ「むかしのこと → 新しいことへつなげる」というテーマでにている四字熟語です。とくに「承前啓後」は、温故知新といっしょに使われることが多いので、おぼえておくと作文や読書感想文でとても役に立ちます。

温故知新の反対の意味って?

温故知新の反対の意味として考えられるのは、「新しいものばかり追いかけて、むかしのことを大事にしない」という考え方です。

これに近い四字熟語として、以下のようなものがあります。

  • 不易流行(ふえきりゅうこう):変えてはいけないものと、変わっていくもの。両方を見きわめるという意味(厳密には反対語ではなく「バランスを大切にする言葉」)
  • 新進気鋭(しんしんきえい):新しく登場してきて、いきおいがあること

ただし、温故知新は「むかしだけが大事」と言っているのではなく、「むかしも今も、両方を大切にする」という意味なので、はっきりした反対語はじつはありません。むしろ、温故知新そのものが「古」と「新」のバランスを大事にする言葉なのです。

小学生でもできる!毎日で温故知新を実せんしよう

最後に、小学生のあなたでも今日からできる温故知新のヒントを4つしょうかいします。

  1. 古いノートを見直す ── 1年前の自分のノートを読みかえすと、今わからない問題のヒントが見つかったり、自分の成長を感じられたりします。
  2. おじいちゃん・おばあちゃんに昔の遊びを聞く ── けん玉、お手玉、おはじきなど、むかしの遊びには今のゲームにはない工夫があります。
  3. 昔の絵本やまんがを読む ── 図書館で50年前のまんがを借りてみると、今のアニメと比べて、おもしろい発見があるかもしれません。
  4. 歴史の本を読む ── 戦国時代の武将の決だんには、今のスポーツや勉強にも使えるヒントがあります。

むかしのことを知る → 今の自分に活かす」を意識してみると、いつもの毎日がちょっと深くなります。これがまさに 温故知新の体験 です。

温故知新は、孔子が2500年前に言った言葉ですが、今の私たちにも通じる、とても大切な考え方です。あなたもぜひ、今日から温故知新を意識してみてください