「鰰」魚へんに「神」
「ハタハタ」は古語で雷が鳴る擬声語(現代のゴロゴロ)。雷が鳴ることを古くは「はたたく」と言い、激しい雷を「霹靂神(はたたがみ)」と呼んだ。
晩秋〜初冬、日本海沿岸で雷がよく鳴る時期にこの魚が産卵のため沿岸へ押し寄せることから、「ハタハタ」と呼ばれるようになったとされる。漢字「鰰」(魚へん+神)は、雷を神に見立てた「霹靂神」に由来。同義の異体字に「鱩」(魚へん+雷)もあり、別名「カミナリウオ(雷魚)」とも呼ばれる。
江戸時代の文人・大田南畝(蜀山人)は『一話一言』のなかで、ハタハタの鱗模様が富士山に似ていることから「めでたき魚」として魚へんに神の字を当てた、とも記している。
1976年以降に乱獲と海水温上昇で漁獲量が激減し、秋田県では1992〜1995年に全面禁漁を実施。資源管理が進んだ現在も、貴重な冬の味覚として珍重される。